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独立した銀行持ち株会社所有ではない銀行の数は一九人〇年の九四八二行から九三年には二九二〇行に減少する一方、持ち株会社(中小銀行はその一部でしかない)は二八八六社から五四五五社に増えている。 資産が一億ドル未満の銀行の全体に占める割合は一九・二%から九・一%に縮小した。
銀行の統合が進むにつれて、中小企業はどこから融資を得たらいいのかという疑問に対する回答が、ますます少なくなりつつあると誰もが(そしてほとんどの中小企業主も)感じている。 中小企業に対する融資こそが、銀行システムの中心的機能なのだが。
背が高く、少々背をかがめて歩く青年、長い髪で大きめのロイド眼鏡をかけ、気弱そうだが忍耐強く、今風な物腰のデービッド・アプガーが、リーマン・ブラザーズ社の投資銀行部門から通貨監督局の事務局にやって来た(そして一九九六年には、コンサルタント会社のマッキンゼー社に移った)。 彼の前にもバンク・オブ・アメリカのアラン・ローゼンタールが特定の投資ローゼンタールの場合は住宅、アプガーの場合は中小企業に利用できる資金のプールを拡大する使命を帯びて来ていた。
ローゼンタールのアイデアは、政府保証のない住宅ローン(それ以前の担保付き債券はすべて、何らかの政府の支援を受けていた)をパッケージにして、市場で販売し、その資金でまた新たに住宅ローンを行うというものだった。 銀行は、資金調達費用より大きい住宅ローンの利息(その「利ザヤ」で生計を立てる)を集めるのではなく、住宅ローンのオリジネート料金、パッケージにまとめる料金、それにクーポンの手数料を手に入れられる。

そして債券の買い手には、利息の支払い自体から生ずる金儲けをさせるのである。 住宅ローンは、市場で売られる同等の安全な債券よりも利回りが高い。
銀行はちゃんとマージンが得られるし、また、これは商品ビジネスということが理由なのだろうが、住宅の持ち主にも利子が若干低いというメリットがある。 パッケージを手掛けた者が利息収入を少々犠牲にする覚悟さえあれば、ローンの利子や元本の支払いのほとんど、または全部を補償する「信用強化」を保険会社が提供することもできるのだ。
これと同じように、アプガーは中小企業向け融資をパッケージにして証券化しようと考えた。 ローンの返済による収益をあらかじめ決まった割合で分配するのである。
「超過担保」により、パッケージ化したローンの額面に、パッケージ全体の当初の販売価格を超える値段を付けることができる。 パッケージには多くのローンが含まれているから、全体としては個々のローンよりリスクが少なく、それぞれのローンの利子より低い利率でパッケージとしての販売が可能になる。
政府は、ローンの保証人としてではなく、参加した個々の銀行による各ローンのリスク評価が正確かどうかについての監査人の報告を図式化して公表する形で、これに関わることになる。 「通貨監督局は、企業融資引受評価(BIUE)指針に則って、各銀行による審査済み融資の格付け評価が同じ融資についての同局による格付け評価と、どのように関連するかについて、統計的な要約を提供する」。
これは「中小企業向け融資をプールして販売する際の情報コストを軽減す、か」。 なぜなら、実際に融資を行ってみなくても、中小企業向け融資一九九四年に議会によって義務付けられたの経費を安く抑えられるメリットがあるからだ。
繰り返しになるが、いつかはどこかで、どうにかして、適当な価格で、この証券の安全性を高める民間保険が売り出されるだろう。 そして買い手の名簿には、銀行以外の客も加わるだろう。
さらに、ローンをオリジネートした銀行はオリジネーション手数料をもらうことになる|実際、ほとんどの銀行は、貸し付けの希望者から、融資が行われるかどうかとは関係なく手数料を取っている。 アプガーの議論は、銀行が自ら進んで商業・工業貸し付けに回す唯一の資金は、保証付の預金の形で入ってきた資金だ、という理論から始まる。

銀行は、市場から自分たちが借金した金で企業に融資することはない。 また多分、できないだろう。
正しく行っても、企業向け融資は何から何までオーダーメードの事業で、融資の条件は借り手の事情に合わせて決められるし、監視コストや支払いの遅れ、再交渉など、どれも時間と費用がかかる。 だからこそ、銀行の持つ最もコストの安い資金と額が一致しなければならない。
それは伝統的に、取引決済口座の残高(預金者が、通常の事業過程の中で銀行に持っていなければならないお金)と、政府がパーゲン利率で保証している貯蓄口座だった。 銀行が中間的存在として企業融資に使う資金を市場で借りれば借りるほど、借り手としてのコストと貸し手としての受け取り額との差であるマージンは、貸出業務の経費を超える利益を生むには不十分になるから、銀行は損をすることになる。
銀行債務銀行の資金源ーーのうち、保証付預金の土台の上に乗る部分は、着実な減少が続いている。 一九九六年までに、全体の六分の一を下回っている。
理論家も、銀行実務家も、預金と商業ローンは釣り合わなければならないという考えを持っている。 ノース・カロライナ州(J州にもある)のファースト・ワコピア銀行のCEO、パド・ベイカーは、戸惑いの色を見せてこう言う。
「預金は気が変になったようにミューチユアルファンドに流出してしまっている。 今、私のところでは預金より貸し出しの方が多いみんなにじっと見られてる。
最近(一九九五年の秋)、一〇カ月物と三年物のCDを売りに出した。 預金の売買市場を試したかったし、預金販売というものを行員に考えさせたかった。
一〇カ月物には七%、三カ月物には八%の利息を払ったら、一日で一〇億ドルの売り上げがあったよ。 宣伝もした『お得な利率を提供する、お得な銀行』ってね。
独占販売の感じを出したかったからさ。 客が次々と支店に来て、フロアで座って待っている。
雨天引換券を貰って次の日に来よう、なんてのはいなかった。 ある日、七万人〇〇〇の口座を開設したことがあった。
うち三万が新規の口座だったよ」そして、それだけの数の人々全員が、ワコピア銀行が市場で買うとすれば払わなければならない価格より高い値段でワコピア銀行に資金を売ったのである。 銀行がC&I融資(商業・工業向け融資)業にとどまるべきならば、この議論からすれば、貸付金を転売して、その資金を補てんするという方法を見つけなければならない。

ベイカーは、ワコピア銀行の中小企業向けの債権について、諦めたように、こう言う。 「近ごろじゃ、どんな貸し付けでも利益は上がらないごくわずかの利益しか出ないんだ。
多分、こういう貸し付けはもっと、含み貸し出しの方に向かうことになるだろう」つまり、それを証券化して売る方法を見つけるということである。 こういう議論は、全部が全部、新しいものではないし、恐らく、すべてが正しいわけでもない。
銀行とは違う貸し手が市場から金を借りることができ、借りた資金を貸し出すことで結構な暮らしをしていることは、はっきりしている。

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